【ブックレビュー】ファイナンス思考―日本企業を蝕む病と、再生の戦略論

少し前の本になりますが、周りが勧めていたのを思い出し、手にとった本です。

52冊目標を掲げて始めた読書が、3月頭時点で現在6冊目。うーん、ちょっと出遅れ気味

2月下旬の家族のインフルエンザの影響をモロに受けて、滞ってしまったのが原因です。

まあ、負けずに1冊ずつ読みこなしていきたい。

本の要約

本書のコンセプトは、企業の評価を

従来のPL(売上や利益)ではなく、調達した資金(借入やエクイティ)を最大限に活用して、キャッシュフローを作り出し、それをステークホルダー(株主や債権者)に最適に配分していくこと

といえます。

高度経済成長期、いわゆる市場が拡大しているときは、オペレーティブな管理方法を改善することが重要でした。

実際、日本企業の得意な分野であり、KAIZENなどの標語も世界に浸透していッタと思います。

しかし、現在は先が見えない世界であり、そこでは目先のことだけで判断するのではうまくいかない。

本書では、そのことをPL脳として定義している。

PL脳とは

「四半期など定められた短期間におけるPL数値の最大化を経営の目的と捉え、今の事業の延長線上でPL数値を良く見せようとする管理的で調整的な思考」

と定義している。

ただ、先が見れない状況で必要な視点がファイナンス思考。

企業価値(将来にわたって生み出すキャッシュフロー)の最大化を目指し戦略を練っていく必要がある。

現在の日本は、短期的な成果を目標にして、企業価値の最大化を目指せていない

それが、GAFAが日本から生まれない理由の一つとしている。

今必要なのは、ビジネスパーソンがファイアンス思考を持ち、戦略を練り実施していくことが求められている。

ファイナンス思考とは…?

ファイナンス思考とは、

「事業内容に応じた最適な時間軸を能動的に設定し、長期的に未来に向けた企業価値の向上を目的とし、その実現のために、逆算的、戦略鉄器に事業成長を目指すこと」

と定義しています。

具体的な各指標は、このとおり。

評価軸

企業価値(将来に渡って生み出すキャッシュフローの総量)にて評価していく。

決められた期間での売上、営業利益ではなく、企業価値の最大化をはかかること、それによって各数値を伸ばしていくことを目指すこと。

時間軸

長期、未来志向であること

会計期間と事業の時間軸は完全にマッチするわけではない。

無視するわけではないが、それを意識しすぎて、企業価値最大化への意思決定ができない状況に陥ってはだめ

経営アプローチ

戦略的・逆算型であること

みずから企業価値最大化を噛み砕き、何を実現すべきかを自律的に定義していくこと。

その中で、今ある状況を固定化せず、大きな目標を実現するために必要なリソースを石鋸的に獲得していくという逆算的な発想で、

成長への道筋を構想していく事が必要になります。

会社を個人に当てはめると理解が深まる

会社経営となるとピンと来ない人も多いでしょう。

本書でも東芝、日立などの事業活動を例に挙げてます。なんとなくわかるけど、自分とは遠すぎて、しっくりこないなーと、私自身も感じてしまいました。

この会社を自分に置き換えてみると理解が進みました。

企業価値を自分の価値と置き換えた場合、その価値を噛み砕き、長期的、未来に向けて向上させる目的を持ち、逆算的、戦略的に成長を目指しているのか?

自分が実現したいこと、価値提供できることを定義して、その最大化を目指す施策を考えているか?ですね。

サラリーマン、事業業者、ビジネスオーナーなど、それぞれの立場は違うでしょうが、

時間を切り売りして、漫然と言われたことをして、目先の給与をあげるようなことをしていたりしないでしょうか?

また、資金調達を自分の資産と捉えた場合、その価値を最大化するための施策を打ってるのか?

  • ただただ貯蓄をして、預金金額が上がることを目的にしていたりしないでしょうか?
  • リスクを極端に恐れ、株式、不動産への投資へをしていなかったり、おさえたりしていないでしょうか?

資産を最大化するのであれば、株式、不動産などへの投資を行い、また自分への投資も行うべきです。

つまり、自分の価値最大化を目指した行動が取れていないってことですね。


こんなことを書いていますが、私も耳が痛い。

できていないというか、短期的なところを意識しすぎていたり、そもそもの価値の定義をおざなりにしていた、逆算的、戦略的に考えていないことが多いです。

この視点に気づけたのが本書で一番役に立ったところでした。