【ブックレビュー9冊目】複業の教科書

9冊目は「複業の教科書」です。

出版自体は1年ぐらい前ですが、ふと目についたので手にとった本です。

ここも複業メディアですから、読んでみるか、と思ったところです。

著者の紹介

複業研究家/HRマーケター。元学生パパ。HARES代表取締役/ランサーズ株式会社 タレント社員。NPO法人ファザーリングジャパン理事。30歳3児(10歳👦🏻/7歳🧒🏻/2歳👧🏻)の父。首都大学東京法学系卒。

複業研究家であり、自らパラレルワークを実践している西村さんの著書になります。

ついでですが、本書の目次はこの通り。

第1章 一つの会社では生き残れない時代の到来 
一つの会社、一つの仕事だけでいい時代は終わった
2018年、政府の方針も副業「禁止」から「解禁」へ
会社のために働いても、会社が労働者の人生を守れなくなった
これからは「会社」と「個人」が対等の関係になる
フリーランスとして活躍できる力がなければ生き残れない

第2章 あなたの人生を取り戻す「複業」という選択 
転職・起業のリスクを冒さずに、人生を取り戻す方法
「副業」と「複業」は何が違うのか?
複業だけがもっている3大メリット
メリット1 時間をかけて「やりたいこと」の追求ができる
メリット2 「稼ぐ力」を得られる
メリット3 キャリアチェンジの失敗リスクを減らせる
複業の最大の価値は、「自分の人生を取り戻す」こと

第3章 複業を始めるための3(+1)ステップ 
ステップ0  なぜ、複業を始めるのか、目的を明確にする
ステップ1 「見立てる」
ステップ2 「仕立てる」
ステップ3 「動かす」
27歳 商社マンがエクセルYouTuberになったワケ
―― 「お金稼ぎよりも信頼を貯めたい」

第4章 実際に複業をして分かった5つのコツ 
複業のコツ1 複業は身近で小さな一歩からはじめる
複業のコツ2 「無理なくできることだけ」に特化する
複業のコツ3 自分のハンディキャップから、できることを考え抜く
複業のコツ4 自分の強みを活かして「キャリアタグR」をつくる
複業のコツ5 半径5メートルのニーズを聞く
プロスポーツ選手も複業時代
――女子サッカー・永里優季さんが会社をつくった理由

第5章 複業が失敗してしまう3大パターン 
パターン1  「簡単にお金稼げます詐欺」に引っかかってしまう
パターン2  「あいつは副業やってるから」と後ろ指をさされてしまう
パターン3  「とにかく頑張る!」とオーバーワークで生活が破綻してしまう
自分の得意スキルはいくらで売れる?
複業のための「お金の教養」

第6章 複業を成功させる五カ条 
複業がうまくいっている人に共通する考え方とは?
一 先義後利 目先の儲けに走らず、貯信せよ
二 本業専念 本業で成果を出すことにこだわれ
三 公明正大 “伏業”にするな。周囲に共有せよ
四 自己管理 睡眠時間を削ってはいけない
五 他者配慮 家族や上司、同僚への感謝とリスペクトを忘れるな
西村の複業ブログの初収入は「ガリガリ君」1本分だった

第7章 複業でぶつかる壁を突破する!──Q&A 
Q1 複業を始めるベストタイミングはいつ?
Q2 自分をどのように営業して売り込めばいい?
Q3 宣伝でSNSを効果的に使う方法は?
Q4 自分の仕事に対する値段はどうつければいい?
Q5 複業が忙しくて時間が足りない! 生産性アップのコツは?
Q6 複業はどのような形態でやるのが望ましいか?
Q7 確定申告などの手続きはどうすればいいのか?
人生100年時代に身につけたい7つの資質とは
付録 複業する人にオススメのツール72選

気になったところをピックアップしていきますね

複業が解禁されていくというのではなく、会社が従業員を守ることができなくなったから

まだ全面的に認められているわけではないですが、世の中の流れは複業を認める方向に進んでいますね。

さて、認められるようになったのはなぜでしょうか???

今までの企業と従業員の関係を言うと、

【企業】
終身雇用
年金賃金
雇用規制

【従業員】
長時間労働
単身赴任
副業禁止

御恩と奉公という関係。

従業員はすべてを会社に託す代わりに、会社は従業員の一生を面倒見るという関係でした。

高度成長期を経たあとの長引く不況の中、御恩、つまり終身雇用、年金賃金は実質的に保証されていない状況になったでしょう。

変化の激しくなる一方の市場環境の中、30年後を保証することは誰にもできない。

正直、トヨタだってできないでしょうね。

なので、個人が奉公し続けることは無理があります。奉公だけを取ろうとしているのは、はっきりって搾取でしょうか。

会社に貢献したとしても、会社はそれに報いることができない。

この歪みを是正するため、会社から「会社以外でも働いていいですよ!」という流れが出てきました。

端的に言うと、会社は面倒見ることはできないから自分でやってね!ってこと

囲い込みはしないよ、だってあなたを保証できないから、という流れです。

今更、ふざけんなよって言いたくなる人もいるでしょうね… 55歳ぐらいの年代の方は特に。

複業解禁!は産業構造の変化、特に会社側の思惑が大きく影響を与えていますね。

複業のメリットはなに???

さて、世の中の、特に会社側の悲観的な流れで出てきた複業解禁ですが、やることのメリットはあります。

悲観的になるのではなく、その流れにのってメリットを享受すべきです。

やりたいことを追求できる

複業は「自分」で始めることであり、その終わりはありません。

自分が納得するところまでやることができる。

もちろん、相手がいることなので、納品、完成は求められますが、
会社や上司の都合で止まることはないです。

マーケティングをやってみたかったんだけど、部署に異動できなくて… ということはありません。

逆に、やりたいことでないと続かないので、自分が動ありたいかを軸に、進めていく必要があります。

稼ぐ力をつけられる

自分自身でやりきる環境に置かれることになります。

会社のビジネスモデルにのって、全体で収益を獲得するのではなく、自分で収益獲得をする経験が積むことになります。

自身で稼ぐ力が身につきます。

サラリーマンでは得難い、儲けのしくみ、収益構造を知ることになるでしょう。

稼ぐ力が付けばつくほど、いかに会社から搾取されているのかも実感できると思います。

キャリア選択の失敗リスクを減らせる

転職や起業と比較すると、複業は一気に変化させるわけではなく、「試しに働く」ということになります。

希望しているけど自分に合わないってことはよくありますよね???

新規事業を希望していたけど、実際にやってみると泥臭く、明日もわからない日々が続きます。生活も新規事業中心になり、自分の時間は少なくなるでしょう。

その不安感、挫折感に耐えられる人、耐えられない人は分かれてきます。

良し悪しではなく、合っているか、合っていないかの問題。

俗にいうミスマッチですね。これを試すことができるってのが複業のメリットでもあります。

試しにやってみて、自分に合うかどうかを確認してみる。そんな感覚を持てると、方に力も抜けて、取り組むことができるでしょう。

もちろん、手を抜いちゃだめですよ。しっかり成果は残すのは意識すること。

最大のメリットは「自分の人生を取り戻すことができる」こと

本書で一番言いたいことは、「自分の人生を取り戻すことができる」ことです。

全てを会社に捧げる生活から、自分の関心軸で取り組んでいくこと。

会社側の都合で開放された側面もありますが、それによって自分中心で生きることができる環境ができています。

ある意味、サラリーマンではなく、フリーランスとして生きていくような世界になるので、厳しい側面もあります。

会社に乗っかって生きるより険しい道になることになるでしょう。

でも、自分がどうありたいと思い、それに沿って生きていけること。

自分の人生を取り戻すことができるようになって行きます。

複業の始め方

次に複業の進め方のアドバイスですね。

ここが少し物足りなかった。フレームワークを活用しようという意図は読み取れますが、それを踏まえて、どうしていくべきか?をもう少し具体的に説明してもらいたかったです。

目的を明確にする

なぜ複業をするのか?複業をして何を実現したいのか?という目的を明確にすること。

全てはここから始まる。ここが曖昧なままでは長続きはしない。

見立てる

まず、自分を知ること。ライフラインチャート、ストレングスファインダーなどをつかって自分に何ができるのかを明確にしていく次に、トレンドを知る。今後の市場の流れ、伸びを予測すること。最後に、マネタイズを知る。複業マッチングサービスが活況になっているので、有効活用していきましょう。

仕立てる / 周囲のニーズを聞き、課題解決を図る

リーンスタートアップのフレームワークを活用していくこと。

  • Probrem Solution Fit
  • Product Market Fit
  • Growth

まずは身近な課題を解決していくこと、そこからのチャレンジをしていく。

動かす

最後に、動かすこと。俗にいうMVPを作り、それを実践していくこと。

実践後は、Build Measure Learn(作って、計測して、振り返る)を繰り返すこと

やってみてわかった複業のコツ

著者がやってみてから気づいて点を説明しています。

身近で小さな一歩

とにかく身近な課題解決から。一発で何かを変える、実現するのではなく、周囲の課題解決から。

無理なくできることに特化

自分が無理をしないでできることに集中すること。

やりたいこと、もあるかもしれないが、時間的、能力的にもできることから。

ハンディキャップからできることを考える

状況が人それぞれ違うのは当たり前のこと。

いろいろな制約は出てくると思います。その制約を先に決めて、そこからできることを考えていくこと

家族がいて、週10時間しか空きがない、というのであれば、それでできることをやっていく

自分のタグを付ける

自分が何者であるのか?を世の中に発信していき、自分のタグ(どういう人だるのか?)を定着させていくこと

プロモーションといえば、あの人だよね!っていう状況を作り出していくことですね。

周囲5メートルのニーズを聞く

世の中を変えるプロダクトを作るぞ!ではなく、周囲にある課題解決をしていくこと。小さな課題解決の延長線上に、その後のマーケット拡大を目指すほうがベター

失敗パターン

周りを見渡して失敗した人に共通するパターンを説明しています。

詐欺に引っかかる

言うまでもないですが、「これを見るだけで簡単に10万稼げます!」といった詐欺まがいのものに引っかかったりします。簡単に稼げるものはないです。そもそも、自分の人生を取り戻すことがメリットであるので、自分がどうありたいのか?から判断して、取り組んでいくべきです。

職場から後ろ指さされる

活発になってきたとはいえ、まだまだ実践している人は少数派です。そのため、職場から反発や、心無い言葉をかけられることはあるでしょう。

そうなることを前提として、

  • 公表すること
  • 成果を報告すること
  • 本業に還元すること

この3点を実践していくと、周りを巻き込んでいる状況をつくり、応援してくれる環境を作り出せていきます。

オーバーワークで生活が破綻

よくあると思いますが、無理して複業を実践していくこと。睡眠時間、家族との時間をおざなりにして実践していっては、長く継続することはできません。

働く時間を決めるなど、しっかりと自己管理していくことが必要

  • 上限を決める
  • 優先度が高いものは先に決める
  • 生産性を上げる

当たり前のことですが、管理していくのも自分自身のため、おざなりになりがちです。

複業が成功している5か条

最後に成功への5か条がまとめてあります。

先義後利

まずは信頼を獲得すること。そうすれば、次が生まれてくる。

本業専念

本業をしっかりとやる。ここが疎かにするのはそもそも資格なし

公明正大

伏業にしない。周りを巻き込み、理解を得ること

自己管理

人それぞれに制約がある。その制約を踏まえて、自分の時間をしっかり管理すること。特に、睡眠時間を削らない

他者配慮

周りへの感謝とリスペクトを忘れない。自己実現をさせてもらっている意識を持ち続けること。


以上が本書の説明になります。

もうちょい具体的に、という思いもあり、早速始めようとは思えなかったのが物足りなかったところです。

とはいえ、第一人者の経験、そこから得たことを赤裸々にまとめてあり、参考になる1冊と思います。

複業に興味があり、一歩踏み出せない方は是非手にとって見てください。